顕正会と日蓮正宗、共に所属、活動経験のある僕が、双方の細やかな「勤行作法」の差異について指摘します。
まず「大きな違い」について概説すると、
・日蓮正宗では本尊が配られる → 顕正会は本尊を自宅に置かず、遥拝勤行
・日蓮正宗は「五座三座」 → 顕正会では「通し一偏」(二座のみ)
の二点が挙げられます。
以下では、上記二点を除き、
「そこかよっ!」と思わずツッコみを入れたくなるような部分について列挙していきます。
なお、勤行の次第の詳細については、以下の記事(↓のリンク)からご覧ください。
そもそも日蓮正宗って何?顕正会とはどんな関係?なぜどちらも「富士大石寺」なの?
って方はまず以下の記事からお読み下さい。
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Index
違和感たっぷりのオリジナル顕正勤行。
お題目三唱が「長い」。
まず題目の唱え方が違います。日蓮正宗では「なんみょーーほうれんーげーきょーー」。
顕正会では、
「なんみょーーーーほーーーーーーーーーーれーーーーーーーーんげーーーーーーーきょーーーーーーーーーー」
と、無駄に長い。
合掌の位置
日蓮正宗における合掌の位置は、「胸の前」が基本の姿勢と言われていますが、
顕正会は「口の前」で合掌します。
(画像の出典 星界の道)
「ご観念文」が「お観念文」
これは「勤行の違い」ではありませんが、日蓮正宗では御観念文のことを「ごかんねんもん」と呼ぶのに対して、
顕正会では「おかんねんもん」と呼んでいます。
別にそこは変える必要ないよね。
歴代先師上人の御観念文の頭に「南無」をつけない。
日蓮正宗の勤行では、「南無日道上人、日行上人等御歴代の御正師‥。」
対し、顕正会の勤行では「日道上人、日行上人、日時上人、乃至日寛上人、日でん上人等、富士大石寺歴代血脈付法の御正師‥」
「日道上人」の前に「南無」がない。
「南無」とは「帰命する」ということ。
日蓮正宗から離脱した顕正会は、あえて大石寺の歴代上人を殊更に尊ぶ必要もないってことかもしれません。
数珠が黒い!
日蓮正宗では基本的に初めは「白」の数珠を各自所属寺院などにて購入することが多いですが、
顕正会は大概「黒」ですね。
信仰歴の長い会員さんは木でできた「茶色」の数珠を愛用している方が多いですが、
新入信者は大抵「黒」を持たされます。
謎の「ご挨拶」という行為。
顕正会では勤行を始めるに当たって、まず本尊への「ご挨拶」が行われます。
「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」と素早く三回、小声でつぶやきながら、礼をする。
これを二回繰り返す。
勤行終了後もこれを行います。
三拝九拝といいますが、人によっては過剰に礼をするので、あまりペコペコしてると何だか見ていて不気味です。
日蓮正宗では行いません。
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お経本のふりがなに「伸ばし棒」
右が日蓮正宗の経本。左が顕正会の経本。
う~ん。なぜわざわざそこで差をつけるのだ。
読経がとてもゆっくり
顕正会の読経はすごくゆっくりです。
これは、日蓮正宗の勤行に慣れ親しんでいる信徒からすると、驚愕するレベルです。
通し一遍の勤行(二座のみ)で、30分くらいが平均的な所要時間かと思われます。
40分くらいかけてじっくりやっている人もいますね。
僕が顕正会にいた頃、「勤行を丁寧にやると功徳の出方が違う!」みたいな話が登壇などで行われて、
一時期、「なるべく(更に)ゆっくりと勤行する」ことが励行されたことすらありました。
確か、登壇した人は、「普段は25分くらいで済ませてしまうものを、35分かけてじっくりやるようにしたら良いことがあった。」
などと、のたまってました。
以上。もはやパロディーとしか思えないような、顕正会版勤行の微妙な改変点についてのお話でした。
宗門の末寺でも黒い数珠売ってるので
慢心の色ですね。