顕正会の信者から勧誘を受けた際に、「広宣流布」というキーワードを耳にして「?」となった方も少なくないはず。
またどこかで「広宣流布」というキーワードを目にしてググった結果辿り着いた方。
「広宣流布」とは「こうせんるふ」と読みます。
日蓮系宗教団体の中では幅広く使用されているこの語句ですが、
顕正会の場合、よそとは少し違う特異な性質が与えられています。
殊に強信者、リーダー格信者ともなれば、この概念をこよなく愛しており、
「広宣流布するまでは~」、「広宣流布したら~」といった具合に、組織の内外問わず、このキーフレーズを主張の文脈に盛り込んで多用する傾向があります。
なぜなら「広宣流布」とは彼らの思想体系を端的に表現したもので、
要するに「理想」を「言語化」したものに他ならないからです。
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Index
広宣流布のイメージ
広宣流布を可視化するとこんな感じです。
我々人類がブッポーを体得するならば、超宇宙大のパワーが地球に降り注がれ、今まで秘めていた潜在的エネルギーを余すことなく存分に発揮することができます。
顕正会員は「宇宙スケール」とかそういう言葉も大好きです。
つまり広宣流布は、ブッポーという宇宙的でミラクルなエネルギーがアクティブになるってことです。
ワンダホー!
そして、牧歌的です。
果てしなくのどかです。
なんの精神的煩いもなく、人生をエンジョイできます。
こういう素晴らしい写真を選ぶのは「タカチョーさん」が得意です。
ちなみに広宣流布を商品化するとこんな感じです。
僕が毎日お風呂に入る際に愛用している入浴剤です。
優しい香りが室内に満ち、一日の疲れを癒してくれます。
また浴槽内のお湯が白く濁るため、毛や垢といった不純物を隠してくれるという効果もあります。
これを使うと、浴室が広宣流布します。
インスタント広宣流布。
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広宣流布したら世の中はこうなるっ!
さて、顕正会員たちは「広宣流布」後の社会に対して、具体的にどのようなビジョンを描いているのでしょうか?
これは信者によっても若干の差異があるかと思いますが、僕がバリバリ組織活動にコミットしていた頃に抱いていたイメージを書き出してみたいと思います。
日本が広宣流布したら
・人を殺めるような自然災害がさっぱり無くなる。
・動物や非情の生命(植物等)が活き活きとし、例えば農作物なども本来のポテンシャルを発揮する。(つまり生育や味が抜群に良くなるってこと)
・あらゆる業種の労働時間がたったの3時間で済むようになる。
・人々の心が穏やかになり、凶悪犯罪も根絶され、安閑とした人生を送れる。
・皆が当たり前のように毎日「勤行」を行う世の中になる。(例えば学校なども、ミッション系スクールのように一日の始まりに礼拝が組み込まれるといった感じ)
(参照リンク→冨士大石寺顕正会の【勤行】のやり方公開!)
以上。
今から考えるとアホの極みですが、当時は本気で上記のようなことを信じていました。
世界が広宣流布したら。
ちなみに日本が広宣流布したら、求めるように他の国に顕正会のブッポーが導入されて、
日本は世界の中心地になって、日本語が世界の公用語になるそうですよ、へー。
大石寺(※1)が世界の根本道場になって、引きも切らずに世界から参詣者が訪れるため、その際に利用される駿河湾は、どんなデカい船でも通れるように元々海底が深くなっているそうです。
日本という名前の由来は「日蓮大聖人の本国」だからだそうです。
へー。へー。
では反対に、未だ「広宣流布」が達成されない状態はどのように定義されるのか。
これについても一通り書き出してみたいと思います。
(※1の参照リンク→冨士大石寺顕正会!?本家「富士大石寺」との関係とは?)
広宣流布以前の世の中。
・人々の心が荒廃し、非道徳的な通念が蔓延る。
・非道なことが平然とまかり通るようになり、悪が闊歩する。
・生命が虚弱化し、結果、精神的な病を罹患したり、自殺する者が増える。
・自然災害が頻発する。
・他の国が日本を滅ぼそうとする。
以上。
それぞれの項目に対応した教祖(日蓮大聖人)のお言葉があったりするのですが、それらも併せて明示するとなると、長くなるし難しくなってしまうので、この記事では割愛致します。
他の宗教概念との置換。
顕正会員の「広宣流布したら~」とはエホバの証人でいうところの「ハルマゲドンがきた後の新しい世界は~」に相当するのではないかと。
なので、元JWの方は「未だ広宣流布しない間は~」を「ハルマゲドンが近いから~」といったように置き換えてみると理解が容易になります。
JWでは、ハルマゲドンが近いからサタンの力が強いのかもしれませんが、顕正会では広宣流布が近いから「魔」が力を増すとなどと信じられています。
JWと顕正会は、終末思想のロジックという意味で瓜二つ。思わず吹き出してしまう程両者の共通点は多いので、このことについては後日改めて検証してみたいと思います。
他には近年、世間の耳目を集めている過激派イスラーム集団の間でも、「ジャーヒリーヤ」といった概念が急進的な思潮と結び付いて、
顕正会の言う「広宣流布」と似たような言葉の装置として、その過激な思想の中に息づいているように思えます。
「ジャーヒリーヤ」とは「無明時代」の意。「イスラームの統治が及ばない地域は~」といった具合に、武力に訴えた侵略的行為を正当化する大義名分として機能している節があるのではないでしょうか。
「侵略」「正当化」「大義名分」で連想するのは「八紘一宇」(はっこういちう)
戦時中、植民地主義を正当化する概念として、教育の場など随所、頻々に練り込まれました。
GHQが抹消しましたが。
他にも過激な共産主義思想とか、とにかく世の異端(※2)と認識されるような論理の中には必ずといって良いほど「広宣流布」的な概念が広く見られるわけですね。
(※2 日中戦争あたりからの日本は世界から見て異端扱いを受けていた事実は否めないと思う)
可能なのか?
で、それって絵に描いた餅だよね。
という話で、いや、本当にその通りなんですよ。
現在顕正会は会員総数200万(平成30年8月時点)などと標榜していますが、実質的に活動を携わる者は精々数万人。
2万とか3万とか、そこらかと思われます。
「活動に携わる」ということは「自主的に勧誘を行う」の意で、例えば「時々に集会に参加する」とか「時々勤行をする」などといった活動家予備軍を含めても、多く見積もって、まぁ10万そこそこがいいとこでしょうね。
昔は、「日本国民全員が顕正会員になったら広宣流布」と定義されていましたが、最近の解釈では「顕正会6000万人」を以て、事実上の達成とのこと。
これが成れば上記に示したような世が顕現されるそうなんですが。
問題は実現可能性の話。理想と現状にどう折り合いをつけているのか。
あのさ、日本の人口ってどのくらいだっけ?
と、そんな至極真っ当な詰問を浴びせても彼らにとっちゃそんなのカンケーねーよといった調子で、手ごたえ無し。のれんに腕押し。
なぜそんなことが信じられるの?という人は顕正会に入って3ヵ月くらい真面目に勤行実践して、100人くらい勧誘して、浅井先生に憧れて下さい。
そしたら間違いなく解ります。むしろ、そこまでしてみないと理解できないでしょう。あっちの人たちの考えというものは。
まとめ
「広宣流布したらねっ!~なのよ!それって凄くない!?」
「今~が社会問題化してますよね?この根本原因って分かります?それはまだ広宣流布してないからなんですよ!」
「広宣流布はねっ!」
「大ロマンなんですよ!」
はい。寝言は寝て言えという感じですかね。
以上。顕正会版、広宣流布の意味についてでした。
こんばんは。
先代ブログで、「もしも顕正会が広宣流布を達成したら?」というものを書いたことがあるんですが、何故か炎上したことがありました。
どうして炎上したのかというと、どこぞの武闘派が、
「顕正会が広宣流布だぁ?ユタ(当時の私のHN)、オメーはよ、頭がワイてんかよ?ああっ!?」
と思われたようです。
あくまでも「もしも」の冗談話で書いたのですが、武闘派さんはそれを一笑に付すということすらできなかったようです。
元・武闘派のミミさんはどう思いますか?