基本的に、人が他人に好感をもつときの理由は、
「自分がその相手に対し、魅力を感じるから」でしょう。
しかし、社会心理学では「その反対のパターン」も有り得ることがわかっているそうです。
著書ではその心理的自動反応のことを、「好感性」「近接性」と呼び、「一時的マインドコントロール」に利用されるテクニックの中の一つだとして説明しています。
これは、初めは相手を魅力的に感じなかったとしても、何らかのカタチで頻繁に「近接」する機会を重ねていくと、
自分の嗜好とは別に、相手に対し、自然と好感を持つようになっていくというものです。
顕正会員に一度目をつけられると、その後何度も電話がかかってきたり、あるいは何度も家に訪ねて来るケースが多いです。
また入信後は更にエスカレートして、毎日のように電話がかかってくるケースも決して少なくないことでしょう。
様々な手段、方法を用いて積極的に「近接」してくるわけです。
なぜ彼らは必要以上に関わろうとするのでしょうか?
彼らの最終的な目的とは、
相手が未入信であれば、入信をさせること。
入信が済み、会員になった相手ならば、
勧誘を促して本人に実践をさせることです。
入信させた後には、何とかそのことを本人に承諾させなければならないのです。
しかし人に何かしら説得させようとするとき、「信用」という壁があるわけで、
相手から好感を得ることにより、その壁を克服しておく必要があるわけです。
彼らが必要以上に組織の後輩に関わりを持とうとするのは、
後輩から好感を得ることで、勧誘活動の促進を円滑に行おうとする魂胆なのです。
つまり、勧誘に駆り立てるためのお膳立てに他なりません。
相手は一体何が目的で、自分に近づいてくるのか、
また近接することによって、自分はどのような影響を受けてしまうのか、
「一時的マインドコントロール」から身を守るために、学説に基づいた、正確な理解と自覚が必要です。
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僕が本気で勧誘をするようになった理由は「先輩への好意」でした。
前回、僕が顕正会時代に、勧誘を始めようと思ったキッカケのお話をしました。
しかし勧誘を始め、間もなくすると、ある難題にぶつかることになります。
誰も入信してくれない…。
今でもハッキリ覚えてますが、23名連続逆縁でした。(逆縁とは勧誘しても入信に結びつかないこと)
ために、組織の仲間には「逆縁王子」と揶揄(やゆ)されたこともありました。苦笑
そこである日、僕の先輩(支隊長)が、更に立場の上の先輩(隊長)に、入信獲得者数が少ないと、叱られている場面をたまたま目にしたのです。
「これは大変なことになった、何とか入信者を獲得しなければならない!」
と思った僕は、今まで以上に顕正会の勧誘活動にコミットするようになりました。
そして、その出来事があった数日後、ようやく初めての入信者を獲得したのです。
実はその先輩なの(支隊長)ですが…
週に2回程度、僕を車に乗せて会館まで連れて行ってくれていたんですね。
だから当時は、「本人に何も得がないのに良い人だなぁ」と、非常に好感を持つようになっていました。
車中を含め、かなり多くの時間をその先輩と共有していたのです。
つまりそうする中に、いつの間にかその先輩に対し好感をもつようになっていたわけで、
それは心理学の視点から、結果的に「近接性の心理作用を利用した先輩の行動が、組織のノルマ達成に貢献した」と考えることができます。
ただし先輩は、恐らくそのような心理学的根拠を頭で理解したうえで行動していたわけではないでしょう。
自然と場数を踏む中で、感覚的に会得したものなのでしょうし、
顕正会としても、後輩への接し方について、心理学的な根拠をもち出して指導しているわけではありません。
ただし、「そうすること(悪く言えばしつこいまでに後輩や勧誘対象者に関わっていくこと)で勧誘も進み、後輩も育つから積極的に行うべきだ」
と、ほのめかすような指導が会内で行われているのは確かなことです。
その具体的な事例については、記事の最後にある顕正新聞からの引用をご覧ください。
研究での実証と、顕正会の体験発表に見る事例
上述にて、近接の回数を増やすことで、相手に「好感」を懐かせる心理的自動反応があることを説明しました。
このことを裏付ける根拠として、著書では以下のような研究結果が記されています。
ザイオンスは、単なる接触頻度の多さが、相手の好感度に影響を与えることを実験で明らかにした。
その実験では、女学生の被験者に、スライドで二秒ずつ一〇人の男性の写真を見せた。見せられたスライド数は全部で八九枚であり、その中に一〇の各男性の写真が何回出てくるかを操作した。
つまり、多く何十回と出てくる人と、数回出てくる人、一度も出てこない人などを用意したわけである。
被験者は写真を見終わった後、その一〇人の男性がどの程度魅力的であるかを評定した。
もちろん、写真のいずれの男性も特に容姿が飛び抜けてよいなどということがないように、操作してあった。
その結果は、被験者にとって接触頻度が高かった写真の人物ほど、魅力的であると評価した。
また、実際に顕正会では近接による好感性を引き起こすテクニックが実践的に活用されている例として、
最近「ミチ」さんという方から頂いたコメントを一部引用します。
「このまま参加せずにやめようって思ったけど紹介者たちから何回も電話きたり家にも来たり最後は、紹介者のひとりの母(ランク上の方)が来て話して、しつこく色々言って、やめることができませんでした。」
更に、顕正新聞からも該当箇所を拾ってみましょう。
以下。
顕正新聞 平成27年2月25日号より
●女子部百○区班長 松○ 美○子
[四度目の折伏(勧誘)で入信]
「しかし、折伏を受けるたびに「御本尊様には偉大なお力があるのでは…」との思いが湧き、また薬を服用しても不安で眠れない日々に限界を感じていた私は、ある日、布団の中で「南無妙法蓮華経」と唱えてみると、なんと久しぶりに熟睡できるという不思議な体験をしたのでした。」
「このことでついに肚(はら)が決まり、四度目の折伏(勧誘)で入信させて頂きました。」
●婦人部の紹介で入会、第一○婦人部集会で発表 山○ ○美
「しかし賀○組長から何度も折伏(勧誘)を受け、遥拝勤行だけで広宣流布を進める顕正会とは、一体どんな団体なのか詳しく知りたいと思い、四月度総幹部会ビデオ放映に参加しました。(中略)尾道事務所で入会勤行をさせて頂きました。」
良くわからないのは…
なんのためにけんしょうかいがあるのでしょうか?