「パッション」を視聴した、当時高校生だった僕には、深い意味はわかりませんでしたが、磔刑に処されたイエスの酷な姿に強烈なインパクトを受けました。
今回紹介するのは、「サン・オブ・ゴッド」という作品です。
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見どころ。名シーンの数々!
イエスの伝道における様々な名場面の輝かしい描写が、この映画の見どころです。
・聖母マリアの受胎。
・ペトロやマタイを弟子にするシーン。
・「罪を犯したことのない者がこの人に石を投げよ!」と言って、姦通の女性の「罪」庇うシーン。
・パンと魚の奇跡のシーン。
・「あなたの罪は赦された」と言って、病気を治癒させるシーン。
・「罪を赦すことができるのは神だけだ!冒涜だ!」と非難する律法学者に対し、
「人の子が地上で罪を赦す権威をもっている」と言い放つシーン。
・「主の祈り」を説いた山上の垂訓。
・最後の晩餐。
・そしてクライマックス。十字架を背負うイエスが鞭を打たれながら、刑場へと歩くシーン。
作品から楽しくインプット
数多の聖書に記された、イエス・キリストの奇跡が映像化されており、
文章を読むのが煩わしいという方でも、この作品によって、
彼の生涯の概略をものの数時間で知ることができます。
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徹底した個人主義。
イエスの精神を表すエピソードの中で、「見失った羊」の話などはその典型です。
100匹の羊を持っている人がいて、そのうちの1匹を見失ったら、見失った羊を見つけるまで探すだろう。
そしてその1匹の羊を見つけた時の喜びはひとしおである。
残りの99匹を置いてでも、外れたかわいそうな羊を探そう。
羊を見つけられたなら皆で大いに喜び合おうではないか。99匹の羊よりも、1匹の羊に大いなる喜びが天にはあるのだ。
当時の「律法」の価値観には、社会の底辺に属するような身分の低く貧しい者、
あるいは罪人というのは、「救われない」という欠点が存在していました。
しかし、そのような人々にも「奇跡」をもって、積極的に救いの手を差し伸べていったイエス。
ここに世俗とは逆行する、徹底した個人主義的な考え方がキリスト教倫理におけるエッセンスでしょう。
映画は、そういった彼の振舞いに、視聴者に畏敬の念を生じさせるような表現が上手に盛り込まれています。
自己に内在する「宗教的要素」を呼び覚まそう。
ただし、イエスの説いた価値観を、現代社会の、合理、功利主義的の通念にそのまま当てはめて実践することには無理があるでしょう。
しかし、この精神を要諦を失わないよう、エッセンスを抽出し、
それを如何に個人的な営為に導入していけるかは、
効率化に支配され、疲弊した現代人にとって大切なことではないでしょうか?
内在する宗教的要素を呼び覚まし、社会の大きな流れに埋没した「個」を発掘するだけでも、
そこには大きな喜びや幸福感が伴うのだと僕は思います。
キリスト教に関心のある方も、そうでない方も、
一度、映画を視聴して、イエスの精神を学んでみることを激しくお奨めする次第です。
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