現在、世界の総人口は70数億人と言われ、2030年には80億人を突破する見通しが立てられています。
先日、ラジオを聞いていたら、日本の総人口はここ数年前から減少の局面に突入した模様で、
いよいよ人口減少、そして少子高齢化という社会現象が、市井の人の生活に及ぼす影響というのは、
良くも悪くも、色濃くなっていくのでしょうねー。
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2050年にはキリスト教徒と拮抗!?2100年までにムスリムがキリスト教徒を追い抜くの!?
最近、社会の関心を集めているのが、イスラム教徒の世界的な人口増加現象について。
僕も、この事象については、殊に深い関心があり、普段から時事的な話題を拾い、自分なりに咀嚼し、
流れの概況を掴むべく、注視している今日この頃です。
こんなこと言うと身も蓋もないですが、正直、未来は予測不能です。
ブラウザを開き、「イスラムの人口動態」とか「推移」などとググると、
アメリカの調査機関、ピューリサーチセンターの統計に基づいて解説されたコンテンツが、
「ズラーっ」と並んでいる状況については、もはや言うまでもないでしょう。
ただし、それらを廻覧していて思うのは、
「推計は大事かもしれないけど、それって、ホントに当たるの?」
と、いうこと。
2070年にはキリスト教徒とムスリムの人口が並ぶ?
2100年にはムスリムがキリスト教徒を追い抜く見込み?
2070年と言えば、今から54年も先の話。
2100年ともなれば、もはや、84年後の展望ということになる。
今年は、第一次大戦の終戦100年目に当たるそうですが、84年前って、
日本においては、まだ戦後間もない貧困の最中にあったわけで、
その頃に、今の社会について、一体どれほど的確に予想できたというのでしょうか?
「希望的観測」を証明した、過去の遺作。
例えば、1989年に上映された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャーpart2」では、
舞台となる1985年から、デロリアンというタイムマシンに乗って、30年後の未来に時空旅行するといったストーリーが描かれているわけですが、
丁度、その年に当たった去年、果たして、作品の中の世界はどれだけ現実として反映されていたでしょう?
「自動靴紐調整機能付きスニーカ―」も
「自動乾燥機能付きジャケット」も、
悲しいかな。その完成を拝むことのないまま、2015年を迎えてしまったというのが実態。
ちなみに宇宙戦艦ヤマトに描かれている2199年が現実化するのは絶対に嫌ですが。
もっとも、頭脳明晰な学者さん達が緻密に計算した上での推計と、これらのエンタメとを、同一視してしまっては失礼極まりないことくらい百も承知ですが、
「学者のとった天下なし」
といった諺が、一つ存在している事実も留意する必要はあるはずです。
あくまで推計でしょ。
とにかく、そんな途方もない将来の見通しなどというのは、大概、当てにならない。
と、いうより、「あまり鵜呑みにすべきではない」と言い換えた方が、マイルドだし、語弊がないのかもしれませんが。
今や、宇宙開発も革新的に進みつつあるし、人工知能なども、実用化される領域というのは間違いなく拡大していくと思われます。
この社会的動乱の最中に、84年後には…、なーんて言われてもね。
さほど強い説得力を感じないわけです。
十数年後を見据えよう。2030年くらいまでなら。
ということで、せいぜい十数年先なら、「中らずと雖も遠からず」くらいの予測は立てられるはず。
まず、統計のソースである「ピューリサーチセンター」のサイトへのリンクを貼っておきます。
翻訳は、各人、PCの機能を使うなどして下さい。
数々の緻密な統計を閲覧することができます。
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イスラム圏でも人口増加率は減少傾向&少子高齢化。
ムスリムが「うなぎ登りに増加!」みたいな漠然とした先入観があると、やや驚くかもしれませんが、
まず、イスラム圏における「人口増加率」というのは、
「高いものの、減少傾向にある」
というのが実態のようです。
ムスリムと非ムスリムの人口増加率比較。
こちらは「ムスリムと非ムスリムにおける毎年の人口増加率」
をグラフ化したもの。
「ムスリムの増加が著しい」
と言われれば、「ほぅ、そうか、ムスリムの人口増加率は伸びているのか」
と、短絡的な誤解を生み易いと思うのですが、
どうやら事実は反対で、人口増加率は下降しているようです。
とはいえ、非ムスリムの増加率に比べれば、ムスリムの増加率は現在も尚、「約2倍」をキープしているのが実態。
また、これは「増加率」であって、母数が増えれば、人口も指数関数的に増えていきますので、
急増している事実に変わりはないのですが。
若年層は減り、高齢者層は増加する見通し。
このグラフのテーマを直訳すると、「選択した年齢層の過半数の国のイスラム教徒の人口の割合は、 1990年から2030年」となります。
この統計が示しているのは、「若年層比率の減少と相反した高齢者層の増加」という人口比の推移予測であり、
2010年における0-14才のムスリム31.9%に対し、60歳以降のムスリムは7.3%。
ところが、2030年には前者が26%まで落ち込み、一方後者は11.9%に上昇する見込みとのことです。
つまり、日本と同様、イスラム圏においても「少子高齢化」に向かっている状況を可視化したものというわけですね。
このことから、単純にイスラム教徒が「ガツン」と増えているという曖昧なイメージはある程度払拭され、
より現実的な流れが掴めるのではないかと。
イスラム多数派の国における、一人当たり出生数も減少。
「ムスリムの増加は出生率の高さに起因する」
と言われれば、「ほぅ、そうか、ムスリムは一人当たりの出産する子供の数は増えているのか」
なんて誤解が生まれないとも限りませんが、
もしそうだとしたら、それも間違った認識で、上掲のグラフはアジアに限定されたものではありますが、
説明書きを直訳すると、「子供の数平均女性が一生の間に持っている可能性があります」
となります。
無茶苦茶な日本語ですが、要は、「女性一人当たりの平均出産数」ですね。
ムスリム多数派の国では、20余年前の「平均約4人」に比べると、既に半数近くまで落ち込んでいる実態が窺えます。
まとめ
と、まぁこんな感じで、ピューリサーチセンターの統計は、
様々な、興味深い示唆を与えてくれます。
日本で生活していると、ムスリムの人口増加現象というのは、
まだまだ、実感として身に迫るレベルには達していないのが現状。
しかし、進むグローバリズムの中、徐々にイスラムの「世俗化」ということも考えられるわけで、
そういった流れは、経済圏をまたぎ、ムスリムの日本への渡航増加ということも、想像に難くありません。
現在、イスラム圏で何が起こっているのか。
時代に乗り遅れないためにも、今から目を光らせて、状況の把握に努めていく必要がありそうですね。
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