今まで、合計五回に亘って、創価学会員との長談、実録の文字起こしを連載してきましたが、
いよいよ今回が最後となります。
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創価学会って何してるの?幹部会員を直撃インタビュー、長談レポート。
最終回の本編では、創価学会は「お坊さん」についてどのように考えているのか?
彼らにとって葬儀の意義とは?
母体である日蓮正宗と、過去、袂を分かつことになった背景や事情について、語って頂きました。
いよいよ佳境です。
ではどうぞ。
男性幹部 勉強するのも大事ですが、まずは試しにやってみることです。やりながら他を信じないで勉強すれば良いことなので。いくつも信じるというのは良くないと思います。
僕 わざわざ、長い時間、丁寧にご説明下さりありがとうございます。
男性幹部 いえいえ、知って頂くのも創価学会の活動ですから。
僕 だいぶ理解が深まり、今まで懐いていた、誤解や偏見が解けました。
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Index
仏教といえば「お坊さん」だけど…。創価学会の僧侶に対する定見。
僕 最後にひとつだけ、実は用意してきた質問がありまして。
男性幹部 なんでしょう?
僕 仏教って言えば、「お坊さん」じゃないですか。なので、仏教として教えを弘めていく上で、説法者が出家である方が自然な感じがするし、聴衆側の受け取り方も違うと思うんです。創価学会が独自に出家制度を設けることも不可能ではないはず。なぜ、そのような方法をあえて選択しないのでしょうか?
男性幹部 創価学会にもお坊さんがいるんですよ。葬式に関してはキホンは友人葬ですが。
友人葬の意義
男性幹部 友人葬の本来の意義というのは、実はお釈迦様の時代にはお葬式にお釈迦様が携わることはなかったんですよ。お葬式にお坊さんが来るというのは、後の時代に作られていった、文化、風習なんです。なので、本来、友人葬というのは、お釈迦様の教えに適ったやり方なんですね。
しかも、生前、励まし合った仲間に送ってもらうというのは、本人にとっても非常に喜ばしいことであると、方々から評価も受けているんです。ただ日本の風習の中では、お坊さんがいないと何となく締まらないと考える人もいるので、その場合はお坊さんの出番です。
僕 なるほど、あくまで選択支として用意されていると。
男性幹部 そういうことです。
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なぜ日蓮正宗大石寺と別れたのか?
男性幹部 創価学会は元々、日蓮正宗というお寺に属していました。
僕 そこから別れたんですよね?
男性幹部 それは、別れたくて別れたわけじゃなくて、日蓮正宗自体が葬式仏教に成り下がってしまったからなんです。信徒の供養で贅沢してみたりとか、勝手にデカい家を建ててみたりとか、そういう中で、色々な協議をしたんだけれど、どうしても「僧侶が上で、信徒が下」なんだみたいな関係性が強調されてきました。こちらが真摯に問題提起しても、「何を生意気なことを言ってるんだ」みたいにあしらわれてしまって、
結局その後、破門になったときに、創価学会の方に道理がある、正しいと思った方は、その時に日蓮正宗を辞めて、創価学会のお坊さんになってます。日蓮正宗と創価学会と双方の内実を知った上で、「日蓮正宗はどうしようもない、創価学会で信仰を貫くのが正しい生き方なんだ」という様に思った方が、現在創価学会で活躍されています。
なので塔婆も基本的には立てませんが、どうしてもと言う場合には要望に応えて、お坊さんが書いたりしています。勿論、それを書いたからといって、成仏するとか、そういった信条はないのだけれども、親戚の手前などで必要だという方にはそのような対応を取っています。
僕 なるほど、ただ「布教」となったときには、やはりお坊さんというのは博学で、宗教的知識が豊富で、辛い修行も習得している。だから信頼を置けるみたいな、仏教に対する一般的なイメージってあると思うんです。民衆の価値観にあえて合わせないというのは、そういった過去の日蓮正宗との関係における苦い経験が、現在の創価学会の理念に強い影響を与えてるということでしょうか?
男性幹部 そうですね。ただし、全く否定をしているわけではなくて、本当は日蓮正宗のお坊さんも一緒に頑張ってくれれば良いわけです。創価学会はずっと護ってきたわけですから。何百箇寺に上る日蓮正宗の財産は創価学会の供養によるものです。誠心誠意、護った上でそういう結果になってしまった。
僕 一方的に追い出された、憂き目に遭わされたのは創価学会の方なんですね。
男性幹部 そういうことです。これ、他の宗教からしてみれば日蓮正宗は何をやっているんだということなんです。日蓮正宗といっても創価学会がほとんどだった、98%くらい、圧倒的多数を占めていたわけです。
それを今まで支えてきてくれた人を破門にするなんておかしいよと。他の宗教団体が笑っているくらいですからね。大切にしなければいけない存在を破門にした。それが真実です。
ルターの宗教改革に見るような、仏教のイノベーション。一人一人が仏という考え方。
ご婦人 さっきお坊さんは「博学」といったけど、その意味で言えば、創価学会には教学試験というものがあります。
会員一人一人が仏法の知恵を養っている。だから誰でも布教に臨めるんです。ところが、誰かお坊さんが来てくれなければ、リーダーが来てくれなければ、となれば、その頼る気持ちから、また上下関係を作ってしまうわけです。ね、知らない内に。
日蓮大聖人の教えはみんな仏ですから。御本尊は題目を唱える対象として、仏の命を引き出すというだけですから、だからブッダを信じるか、日蓮大聖人を信じるかで迷うのではなくて、私達が仏なんです。そこをはき違えてしまうと、何か、誰か、別のところに凄い人がいる、そこに頼るみたいな信仰になってしまう。私達の戦いは、仏の命を引出し続けるところにあります。だから誰一人上下関係などないと思っています。自分には自分の使命があると思って生まれてきている。 高齢のおばあちゃんであっても、謙虚に活動に打ち込む姿は尊敬されます。創価学会では、格や立場ではなく、命懸けで信仰を守ってきた人が信頼され尊敬されるんです。老若男女関係なく、それは、外見にも表れてきますね。先程のビデオの中でも、ブラジルの方があのように輝いて見えるというのはそういうことです。池田名誉会長は、どんな立場であっても、戦い抜いて努力している人が一番偉いと言うんです。個人が立ち上がるということが世界平和に繋がるという、私達はそういう文化運動をしている。
僕 おぉ、文化運動なんですね~。
ご婦人 そう、僧侶とか仏とか、捉え方からして違う。マルティンルターのように、破門されたのは、まさに平成の宗教革命なんです。
後、1000年、2000年経った後に、凄い時代があったねと。今は、何気なく活動しているけどね。例えば、日蓮大聖人様の弟子で四条金吾とか凄い弟子がいるんですが、後々は同様に語り継がれるような存在だと思っています。欲や名誉じゃないんです。何もなくとも、その思いというのは信心と誇りだけ。今暗い事件などが多い中で、そんな人がいて、無償で教えを弘めている、その姿自体が仏様なんです。
僕 確かに稀少ですよね。
ご婦人 そう、そこが創価学会の魅力なのかなぁと思います。
僕 なるほど、そういう文化活動としての崇高な意識が一人一人の胸中にあるわけですね。
ご婦人 いやまぁ、そんなこと常に考えてるわけじゃなくて(笑)聞かれれば出てきちゃう(笑)ただ毎日感謝の気持ちで活動させて頂いているだけですよ。だから、まずはやってみると良いですよ。どんなに考えてもお題目を唱えてみないと、命で感じてみないと解りません。
ご婦人2 質問が凄いよね!洗練されていて、頭が良いんですね~。
(皆が褒めそやす)
ご婦人 でも他の宗教は信徒が利口にならない方が楽なんですよね。扱いやすいから。だけど創価学会は本当に智恵を大事にする。だから凄く肌に合っていると思いますよ。
僕 新興宗教はなるべく他のことは考えないようにさせますよね。
ご婦人 マインドコントロールね~。多分質問したら怒られるんでしょうね。逆に創価学会は質問したら「偉いね~」って。
ご婦人2 わからないから怒っちゃうんだろうね(笑)
僕 余計な思想を持つこと自体が忌むべきことだと教えられるんでしょうね。
ご婦人 創価学会は自由だから!幹部になればなるほど、皆さんに頭を下げるという、そういう世界なんですよ。ここまで好きなこと言うか!って人もいますよね(笑)
(一同大笑。)
僕 しかしそれは良い空気ですね。
ご婦人 はい、質問をされると嬉しくなります!
(10分程、談笑を挟む…)
勤行の所要時間。
男性幹部 では、最後にお題目三唱しましょう。(厨子を開く)この御本尊が創価学会の信仰の対象で、朝晩二回、お経とお題目を上げるというのが活動の一番の根幹になっています。
僕 一回につき所要時間はどれくらいなんですか?
男性幹部 自由なんですよ。自分が納得いくまでで良いと思います。良し!頑張ってこう!と思えるまで。だから人によっては、30分とか1時間やろうという日があったりとか。
ご婦人2 5分でも…。
男性幹部 うん、まぁ5分という人もいるし。こうじゃなきゃダメっていうことはない。
僕 それで、組織からお咎めがあったりしないんですか?時間が短か過ぎるとか(笑)
ご婦人 たまにあるかもね(笑)
ご婦人2 まぁでも子供なんか平均5分かな。
男性幹部 何分って規則はないけども、あまり題目上げてないのに愚痴ばっかこぼしてたら、それは当然題目が少ないんじゃないの?と言われることはあると思います(笑)
ご婦人 題目上げてると生命に喚起が湧いてくるから、題目が足りない人は見てすぐわかっちゃいますね。それぐらい上げる上げないでは違うかな。
男性幹部 形式にとらわれず、課題を乗り越え、悩みを克服するための御本尊ですから。結局は自分のためですからね。
僕 なるほど。
男性幹部 では…。
南無妙法蓮華経~南無妙法蓮華経~南無妙法蓮華経~。
長談を終えて。
今まで、書籍やネットを通し、創価学会についてある程度の理解を得ていましたが、
実際に本人達と顔を合わせて、じっくりと話をしたのは初めての体験でした。
いや、厳密に言えば、過去折々で接点はあったのですが、
顕正会へと入会した19歳の時以降、創価学会に対してはずっと偏見の眼差しを向けてきたので、
少なくとも、まともな対話に至ったのは、まず今回が初めてです。
話の中で、意外と驚かされたのは、入信へのハードルが高いということでした。
危険な因子を中に入れない、水際対策がキチンと形式化されているということです。
内発的な撹乱は、組織にとって一番のダメージと成り得えてしまうことを、創価学会はしかと心得ていました。
また、個人的には凄く楽しい時間を過ごせたと思っています。
直接伺って見なければ分からない、紙面や液晶画面からは伝わらない、言葉のニュアンスやディテールってありますからね。
わざわざ時間を割いて下さった、幹部会員の皆さんに感謝です。
「バカたれが!学会の偽本尊に手を合わせるとは何事か!!」
という人が現れないことをお祈りします。
それはさておき、私はミミさんのおかげで良い勉強になったと思いますね。
まず間違いなく、顕正会は学会に対しては逆立ちしても勝てないというのが分かりました。
こちらが正しければ絶対に勝つ!……とは限らないということですね。
学会で幸せにやっている人がいれば、それでいいんじゃないか。
そんな気になりました。
あいにくと私は学会員に折伏をされたことがないので、比較対象にできないのは残念ですが。
如何に宗内で「創価学会を折伏しよう!」と呼び掛けられたところで、向こうのことなど知らん、こちらの一方的な主張では単なる口ゲンカになるだけですからね。
それで、街頭で「偽本尊」掲げかれてもね~!って気がします。