先日、山梨県へ一泊二日旅行に赴いた際、身延山久遠寺を見学してきたのでレポートを書いてみようと思います。
これから初めて行こうと思っている方、あるいは既に何度か訪れたことがある、という方にも、何か参考になるような情報を提供できたら幸いです。
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Index
久遠寺の場所、アクセス
まず所在地や、久遠寺への行き方について押えておきましょう。
と、あれこれ説明するよりもご自身でマップを転がしてみた方が早いと思いますが…
恐らく、西日本からなら東名、関東甲信越等の東日本からなら中央道経由が鉄板のルートかと。
で、僕なんかと同様、関東住まいの方が行く場合ですが、現在「中部横断自動車道」というものを作っている最中らしく、やがては中央道と東名道路を繋く高速道路が完成するらしいのです。
ただしこのルート、身延に行く場合に少々不便さが否めない点があります。
それは、東京方面から中央道を進み、「甲府南IC」を過ぎた辺りで一旦北上し、双葉JCTを左折、そこから南下して行くというルートを通らざるを得ないということ。
なので、おすすめのルートとしては、上で青く示した通り、甲府南で一旦高速を降り、笛吹川に沿って140号線を南西方向に進む道なんかが良いかもしれません。
すると大体増穂ICの辺りに出ると思いますが、現在(2017/8/16時点)だと、増穂ICの先はまだ六郷ICまでの1区間しか道路が出来ておらず。
且つ、側道の52号線も増穂IC以降はそれほど信号が多くないので、甲府南IC以降は一般道から進む経路が良いものかと。
ちなみに今後、身延にも高速の降り口を作るそうで、平成31年に完成予定を控えている状況とのことです。
とはいえ、富士川沿いの絶景をゆっくり眺めながらのドライブが最高でしたので、高速が通ってもあえて利用せず、下道で行くのもなかなか乙なものです。
駐車場
実は僕、久遠寺を訪れるのはこれで2回目でして、前回は御廟所と御草庵跡のみを見学したのでした。
その時に撮った写真などは残念ながら消失してしまったので、当記事でお見せすることは出来ませんが、そちらの方も訪れる価値は高いです。
日蓮大聖人が住まわれていた、まさにその場所が柵で囲まれ、分かる様になっているわけですね。
その少し下に沢があり、日目上人が水を汲み、頭に桶を乗せて大聖人の元に運んだ、という逸話なんかがありますが、現場を見るとリアリティあります。
(実際距離的には大したことない…)
で、駐車場ですが、なんせ敷地が広大なので、久遠寺本殿や五重の塔方面の他に、別途、そっちを見るならそっちの駐車場を利用した方が楽チンです。
三門前を過ぎ、かなりキツい勾配を登って行くのですが、途中左方向に道があるので曲がって進むと(地図にはPの表示がありませんが…)駐車スペースが見えてきます。
あるいは、三門を降った道すがら、お店が立ち並んでる通り沿いに駐車場(僕が駐めた時は無料でした)なんかもあります。上掲のマップで言えば総門と三門の間の「P」ですね。
体力(<=この条件大事、後に説明します)と時間に余裕のある方は、そちらに駐め、売店などを見ながら歩いて登るのも選択肢の一つかと思います。
エレベーターで登る
今回はエレベーター前の駐車場までぐんぐん登って行っちゃいました。(割とシャレにならないくらい勾配キツいです。)
駐車場からの眺望です。
こちらは有料になりますね。と言っても(滞在時間に拠りますが)大体1000円前後で足りる範囲かと。
ここからはエレベーターで一気に本殿の方まで登ることが出来ます。
そこそこ広い。
ボタンプッシュで降りて来ます。
かなり低速ですが、初めて利用した僕は途中レールが外れて落ちるんじゃないかと思って少し怖かったです。
以下、到着と機内からの様子を撮影した動画。(ミュート加工してありますので再生しても音は流れません)
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久遠寺境内
上に到着すると真ん前が本殿で、さらに五重の塔を眼前に拝することが出来ます。
案内板には報恩閣前が一般入り口とありますが、本殿からも靴を脱いで上がれますので、こちらから順に一通り堂内を回るルートも良いでしょう。
内部から大客殿まで歩いて行けます。上掲のマップを見てお分りの通り、かなり大きな施設となりますので、じっくり見て回るならば往復1時間くらいはかかりますね。
本殿を正面から捉えました。
で、先ほど駐車場の説明のところで「体力」のお話をしましたが、実はエレベーターを利用しない場合ですと、以下の写真の通り、途方もなく長い階段を登ってくることになります。
階段の一番下に写っている人がもはや「点」です。
スタミナのない人は素直にエレベーター前の駐車場を利用しましょう。
宝物殿
本堂の下のフロアが宝物殿になっています。
一人300円という安価で大聖人所縁の様々な展示物を閲覧することが出来ます。
個人的に見入ってしまったのは「旗曼荼羅」です。
今、もしや実物が出てるかなと思いググったら、やはりwebには上がってないですね。
ということでパンフにも載ってません。
是非実物をその目で確認されてみてください。
言ってみれば幽玄の美であり、僕はそこに込められている「念」にまるで吸い込まれてしまうかの様な感覚を覚えました。
ロープウェイで山頂、奥之院へ
久遠寺屈指の見所は何と言っても山頂の「奥之院」でしょう。
そして、その道中に立ちそびえる、「日蓮大聖人お手植えの杉」
その場所まではロープウェイが設置されていて一気に登ることが出来ます。
利用料大人1名1400円を払う価値はあるはずです。
山頂では食事も取れます。
追加料金数百円でお得な食事付きプランもありましたが、今回は個人的な時間の都合で乗車券のみにしました。
基本は20分刻みでの運行、総受付の方の話に拠ると、どうやら混雑時には一時的に本数を増やして運行してるみたいです。
ゴンドラ内から動画撮影するの忘れました、すみません。上掲は静止画です。
このロープウェイは先のエレベーターと違い、もの凄いスピードが出ます。
移動時間は約7分間。
それもそのはず、以下、ロープウェイの乗り場の標高差を調べてみました。
久遠寺駅は367メートルです。
意外に低いんですね、感覚的にはもっと高いと思ってましたが。
これは例えば僕の郷里である長野市なんかと同程度です。
で、奥之院駅はというと、なんと「1130メートル」
800メートル近くも駆け登って行くわけですね。
日蓮大聖人在世は歩いて登ったことを思えば…
テクノロジーの進歩に感謝の他ないです。
身延山頂からの眺望
とっても残念なことに、僕が訪れた日は生憎の雨で、本来は素晴らしい眺望のはずが何も見えませんでした…
上掲の写真が展望所。
また今度晴れてる日を狙って再訪したいと思います。
お手植え杉
太いです。とにかく太い。
そりゃ樹齢800年近くになのだから当然と言えば当然なのですが、
800年でこんなに太くなるもんなんでしょうかね。
生育環境の良好なのか、加えて、やはり日蓮大聖人の願力が宿っているのか。
奥之院
仁王門です。
ここまでの階段はそれ程苦労しません。
健康な人なら駅から5分あれば奥之院まで行けるでしょう。
奥之院の意義は、上掲のご案内の通りです。
「日蓮大聖人は9ヶ年の亘る身延山でのご生活の間、常にこの峰にまで登られて」
って… 大聖人は当時、体調の方が芳しくなかったわけなんですが…
しかも、まだまだ足腰の堅強な20代, 30代だった、というわけでもなく…
整備されてない山道をわらじなんかで…
度々800mの登山とか、ちょっと考えられませんが昔の人は逞しいですね。
中は信仰の志ある人しか入れません。
というか受付を済ませれば良い話なのですが、勤行の様なものの参加が求められる、みたいな案内が書かれてました。
夕勤行への参加
下界に戻り、今度は「夕の勤行」に参加して見ることに。
開始は15時。仏殿で行われ、観光客中心の参加者が数十人。
貸し出し用の経本があったので利用しました。
初めに何かを唱和し、後に法華経寿量品(自我偈)、観心本尊抄の一節を唱和、続けて題目5分くらい、途中ご焼香。
の流れで突然、中心に座っている所化さん達が梵語らしきものを小さな太鼓に合わせてリズミカルに唱え初めたのでちょっとびっくりしました。
最後回向、終わり、大体こんなだったと思いますが間違ってたらすみません。
尚、座椅子が用意されており、正座はしませんでした。
境内各所
境内は細やかな管理が行き届いていて素晴らしいですね。
報恩閣より境内を見回す。
報恩閣前の池。
この時期8月は身延の随所で綺麗なハスの花が飾られ、境内に限らず、寺院から降った売店の並びにも各店の道路面にも。
右を見ても左を見てもハス状態です。
しかも良質な。
ハス好きな人にとってはまさに夢の様な世界だと思います。
枝垂れ桜
上掲の写真は、日本随一の誉ある、名木、枝垂れ桜です。
これ桜?ってくらい幹が太いです。
残念ながら桜シーズンではありませんでしたので、乱れ咲く様子はお目にかかれませんでしたが、緑色の桜もまた活力が漲っていて良いもんですね。
開基堂。
以下の写真の開基堂では、久遠寺の開基となる波木井実長の像が安置されています。
手水舎
杉が高い
杉が高い。
まとめ
うーん、あまりに広大なので全部撮影し切れませんね。
もっとも、全て撮影する必要があるかと言えば、無いのですが。
既にweb上には沢山の画像が上がってますからね。
とにかく、少し前までの僕は「謗法厳禁」という教義信条に強く縛られ続けてきて、こういった有名な仏閣を自由に見学するどころか、門をくぐることすら許されませんでした。
実際に、千葉の清澄寺の方もそうですが、門の手前まで行ってUターンして帰った経験があります。(なんのために行ったんだか…)
実は前回訪れた時も御在所跡と御廟所の方だけ見て帰ったというのは、こういった理由で、本殿の方に進むのは忌憚があったからなんですね。
日蓮大聖人という人物像に強く惹かれ、信仰をもつ様になってより、10年。
もっとも有名な所縁の地、久遠寺をゆっくり観覧し、堪能できたことは僕にとって大変意義深く、喜ばしいことでした。
こんにちわ
管理人さんは今が一番輝いている時期かと思いますよ。信教に囚われずいろんな仏閣をまわって見てはいかが?