顕正会で活動した経験のない人が、顕正会員とまともに口論しても、多くの場合は話が平行してしまいがちです。
水掛け論のようになってしまった挙句、諭(さと)そうとしているこちらの方が、かえって相手の「理解能力の乏しさ」に呆れてしまったり、あるいは「伝わらないもどかしさ」ゆえに感情的になってしまうなど、建設的な会話に成り得ないケースがほとんどです。
ああ言えばこう言う、「減らず口」にさぞイライラすることでしょう。
宗教団体の教義というものは、案外と巧妙なロジックによって形成されていて、ちょっとやそっとじゃその牙城は崩れません。
僕は、顕正会の教義には沢山の「欠陥」があることを良く知っています。
それこそ顕正会員がぐうの音もでないほどに「論破するノウハウ」を僕は持っています。
ただし、顕正会の知識に乏しい方が、彼らと「顕正会を辞めさせるため」に舌戦することはあまりオススメしません。
なぜなら顕正会で活動した実際の経験と、教義全般に関する深い知識と理解がなければ、
フレキシブルな対応が出来ず、返って反論の余地を与えてしまいます。
結果として、こちらは何か負けたような感覚に囚われ、
口論に勝利した相手は「優越感」を得るだけです。
なぜ彼らはこうも「口が達者」なのでしょうか?
答えは、彼らが外敵から身を守るために「ワクチン」を接種しているからです。
これを心理学では「接種効果」と呼びます。
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Index
1、接種効果について。予め反論用の論理が用意されている。
(破壊的)カルトと呼ばれる団体が構成している教義の中には「想定される反対意見に対する回答」が既に用意されています。
外部の者に簡単に言い包められてしまうような生温い教義では、確保した会員を維持し、組織を繁栄させていくことができません。
会側は、その「想定される反対意見に対する回答」を会員に対して「繰り返し」、「念入りに」インプットを行います。
なぜなら、その回答を会員本人が学ぶことは、「自己矛盾」に対するワクチンになり、「組織からの離脱」に対する「抑止力」となるからです。
2、本人が「間違いを自覚」したとしても、即座に活動を辞める可能性は極めて乏しい。
人は一度ある情報を正しいと思い込んでしまうと、それが後になって誤りであることがわかったとしても、非合理的ではあるのだが、その「誤りである」と、わかった考えに影響されて行動してしまうこともある。(中略)
人は考えたという行動そのものを重視して、もはや、その思考が正しくない、あるいはあまり意味のないものとなってしまった後でさえも、その判断は最初の情報に影響されてしまう傾向がある。(中略)
こうした特徴のために、破壊的カルトのメンバーは自分のビリーフの誤りに気付いても、なかなか合理的に思考できない。もしもだれかが誤りに気付かせても、彼らは「わかっている」といいながらも、知らず知らずのうちに、そのビリーフに従って行動することもある。
今までビリーフを支えていた根拠がなくなっても、人はひとたびビリーフとして形成してしまうと、それに固執する傾向にあるということだ。
マインド・コントロールとは何か(184項)
引用文の中の「ビリーフ」というのは、簡単に言い換えると「思い込み」「固定観念」のようなものです。
要するに、道理では「間違っていた」と認識できたとしても、だからといって脱会に至るのは稀なケースだと言えます。
「辞めさせること」が目的であって「論破する」ことが目的ではありません。
接種効果による具体的な彼らの「論理」
顕正会員は、現実的にありえないようなことを「絶対に起こる」と自信満々に言い放ちます。
例えば、「あと〇〇年で全日本人が顕正会員となる」といった主張はその最たるものです。
これについて、こちらが一生懸命「それは現実的にありえないことだ」と説明しても、彼らは、
「時がくればわかる」
の一言で済ませてしまいます。
実はこの回答には、彼らの信ずる対象とする、日蓮大聖人のお言葉が根拠となっています。
「ただをかせ給へ、梵天・帝釈の御計として日本国一時に信ずる事あるべし」(上野抄)
「日本・乃至漢土・月氏・一閻浮提に人ごとに有智無智をきらはず一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱うべし」(報恩抄)
「剰へ広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的とするなるべし」(諸法実相抄)
他にもありますが‥。要するに、顕正会ではこれらの文言を「都合の良いように解釈」し、近い将来全日本人が「顕正会員」になることの確信を得ているというわけです。
では、「顕正会員だけが南無妙法蓮華経と唱えているわけではないよね?なぜ顕正会がと限定して言えるの?」
と問うと、彼らは、
「自分達が唱える南無妙法蓮華経と他宗が唱える南無妙法蓮華経とでは全く違う。御書に書かれている南無妙法蓮華経とは顕正会が唱える南無妙法蓮華経だ」
と言います。
何故?と問うと、
「(結果論として)他宗が唱える南無妙法蓮華経は日蓮大聖人の御心に適わないために功徳(ご利益)がない。浅井先生ただ御一人だけが、日蓮大聖人の御遺命を護ったから顕正会だけが正しい」
などと言ってくるかと思います。
大体ここまできたら、大抵の人は呆れるか面倒臭くなり、
「どうぞご勝手に」という他はありません。
舌戦は避けるべき。
顕正会員を辞めさせたいのであれば、「教義に関する議論」は避けたほうが賢明でしょう。
はっきり言って無駄に時間を浪費するだけ。あえて今から「論破」のプロフェッショナルになる必要などありません。
それに顕正会から脱会を考え始める人の多くは、必ずしも「教義の矛盾に気付いたこと」がキッカケではないのが実態です。
それよりも、「組織との関わりの中で嫌なことがあったから」というキッカケであることの方が圧倒的に多いことがわかっています。
「教義」について自ら矛盾点と対峙できるようになるには、まず組織の活動から離れ、冷静に自分を分析する能力を取り戻すことが前提条件なのです。
熱の入った活動家に対して「口論」を挑むのは、「火に油を注ぐようなもの」。
角度を変えて、別の対処法を考えるのが吉です。
まずはマインドコントロールについて理解を深めるのも良いでしょう。
彼らと「対話」をする上で、これを知っておくことは大変重要です。
『カルトからの脱会と回復のための手引き』は「常備し」「座右の書にし」「役立つこと」をモットーに、各専門分野の先生方が知恵を出し合い、カルト問題について様々な角度から言及をされた「集大成」。比較的読みやすい一書に仕上がっています。また比較的近年初版のものです。
裏面記述より、
オウム事件以降、いったんは下火になったものの、近年、再び増え始めたカルト団体は、社会経験の少ない若者などをターゲットにし、静かな「ブーム」となっています。
本書は、多くの実例をもとに、宗教カルトや悪質なセミナーからの脱会の方策と離脱した後の回復、そしてカルト団体についての知識と予防などを述べたものです。カルト問題の実務家の経験と研究者による知見をまとめた集大成であり、カルト対応の最良の手引きとして、また、カルト研究の概説書として有用なものとなっています。
悩んでいる本人や家族だけではなく、カルト問題の多発する大学・教育関係者、学生相談や心理専門職も必携の一冊。きっと光がみえてくるはずです。
『カルトからの回復 (カルト問題のフロンティア2)』は主に脱会後の「心のケア」にフォーカスして書かれた一書。発刊されたのが平成27年3月末頃なので「新刊」です。最新の研究なども加え、著されているはずなので大変興味深いですが、行きつけの本屋に並んでいなかったため、生憎、僕はまだ読めていません。
『マインド・コントロール』は平易な文脈で大変読みやすいですよ。ストレスなくスイスイと読めます。海外で耳目を集めた「某カルト団体の悲惨な事例」についても大変詳しく書かれています。
『マインドコントロールとは何か』は、もはや言うまでもなく当ブログで度々引用させてもらっている「西田公昭さん」執筆の一書。「社会心理学・マインドコントロールの教科書」です。マインドコントロールを知るに当たって、これを読まなければ始まりません。
リアルな被害報告を元に、専門の弁護士の方たちの懇切丁寧な解説が記された、トラブル解決にコミットする実用書。
僕自身も当ブログ記事を作成するに当たり情報材料として大いに参照致しました。比較的新刊です、是非ご活用下さい。
ミミ 様
こんにちは。
顕正会員が顕正会代表を名乗って、私のブログにコメントを書き込んできましたが、ミミさんの言うように相手にしてはだめでした。
マシンガントークならぬマンシンガンコメントでたじたじになりました。
突っ込みどころ満載だけど、相手の言い分を認めながら正宗の話や、戒壇のご本尊様への信心を訴えましたが馬耳東風。
相手にしてはいけなかったと反省しています。