顕正会のマインドコントロール。洗脳との違いと手法の概要

「洗脳」と「マインドコントロール」

これらの言葉は、しばしば同義に扱われることがありますが、実際にはこれら二つが意味するものは異なっています。

「マインドコントロール」について研究し、いくつかの論文や著書を発表している立正大学心理学部対人・社会心理学科教授の西田公昭(きみあき)さんは、それら著書の中の一つである「マインドコントロールとは何か」(※以下、著書と表記)の中で、

「洗脳」とは、

「長時間、個人を拘禁状態において拷問したり、薬物を投与したりして、個人の精神構造を、強制的に生理的に変化させるもの」

そして「マインドコントロール」とは、

「本人が他者から影響を受けていることを知覚しないあいだに、一時的あるいは永続的に、個人の精神過程(認知、感情)や行動に影響を及ぼし操作すること」

と、説明されています。

つまり、「洗脳」には、物理的な手法が用いられているのに対し、「マインドコントロール」は心理的な手法が用いられています。

「マインドコントロール」では基本的に拘束するなどといった物理的な制圧をかけず、秘密裏に行われるため、本人には「マインドコントロールを受けた」という自覚がありません。

強制力を用いないゆえに、当人は気付いたり見破ることができず、

まさに「本人の意思によって物事を判断し、行動するように仕向けられた、巧妙な心理操作。」

それが「マインドコントロール」なのです。

では、「マインドコントロール」を仕掛ける側は、一体どのようにして、本人に気付かれずに思考や行動を操作しようとするのでしょうか?

社会心理学的テクニック

マインドコントロールは、「社会心理学的テクニック」の行使によって可能となります。

「社会心理学」とはどのようなものでしょうか?

このことについて西田さんは著書の中で以下の様に説明しています。

「実在する他者や想像の上で他者を想定することによって、個人や集団の行動がどのようになるのかを科学的に研究する学問」

つまり、

人の何気ない日常のなかで作用している「認知」・「感情」・「行動」の原理を理解し、

それらを巧みに活用し、相手を意のままに操るテクニック。

これよってマインドコントロールは行われているのです。

具体的な手法については、以下の記事に詳細を記しましたので参考にして下さい。

「マインドコントロール」の防止策とは?洗脳とは違う怖ろしさ。
ネットやメディアの力で前より知名度は上がったけども、いまだに「顕正会はオウムのような危険団体」などと漠然としたフレーズが独り歩きしよる。...
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ヒューリスティックとは。

日常的に作用している、人間の情報処理の特徴のことを、「ヒューリスティック」と呼びます。

「ヒューリスティック」について著書の中では、

「問題解決の発見の方法の一つであり、心理的な簡易法である」

と、説明されています。

更に著書では「人はヒューリスティックに沿って自動反応をする」というチャルディーニの論を引用され、

「この自動反応を生み出す引き金となる条件」について具体的に、以下のようなルールでまとめられると述べています。

人の自動反応を引き起こす5種の条件

「返報性」

「コミットメントと一貫性」

「好意性」

「希少性」

「権威性」

これらの「ヒューリスティック」に沿って、人の自動反応を生み出すテクニックにより「一時的マインドコントロール」が行われ、

それによって起こした行動が、本人の信念や価値観自体を徐々に変革させることになります。

(※上記をクリック、またはタップすることでそれぞれの内容の詳細と、それを利用したマインドコントロールの具体例が確認できます。)

これを繰り返すと、遂には別人のようになってしまうわけで、

そのような状態のことを西田さんは「永続的マインドコントロール」と呼んでいるのです。

マインドコントロールの用途。

ただし、上記の5種のような、人が本能的に有する自動反応を利用した一時的効果を持つテクニックというのは、一般社会の中でも物販や教育を初め、多くの分野でも盛んに取り入れられています。

「マインドコントロール」とは基本的に「破壊的カルト」が秘密裏に行う心理操作に当てられた言葉であり、上述のようなことを目的とした、思考の誘導・操作のテクニック全般のことを指しているわけではありません。

あまり乱用すると、個人や団体や企業へのプライバシーを侵害してしまう恐れがありますので、用語の使用に当たっては注意が必要でしょう。

考えるべきことは、個人や団体や企業が、そのことをどういったこと目的で行い、また、行われた人たちにどのような影響がもたらされているかであり、

それがもし、人間としての倫理・道徳、そして社会のルールから著しく逸脱し、社会や個人に対して明らかに悪い影響を及ぼすものであったならば、

大いに「マインドコントロールである」と指摘するべきであり、周囲に対してもその脅威や危険性について注意を喚起していく必要があると思います。

僕はこの著書を初めとした、「マインドコントロール」について書かれたいくつかの書籍を読む中で、

顕正会で行われている実践項目、あるいはその基となる信条が、書籍の中で示される手法のほとんどに当てはまっていることに大変驚きました。

顕正会が起こした強引な勧誘等の事件は数多に上り、そのことにより、会が公安調査庁にマークされてしまっていることは紛れもない事実なのです。

なので、一般社会が顕正会を「破壊的カルト」として認知していることもまた事実でしょう。

ということで、

この著書の中に書かれた内容と、僕が過去、顕正会の活動する中で得た経験則と重ね合わせて、会が実際に行使していると思われる具体的な「マインドコントロール」の手法について、一つ一つ指摘していきたいと思います。

顕正会が行使するマインドコントロールの手口を分析。
マインドコントロール(MC)研究の第一人者、西田先生の著書を主な参考資料として、MCとはどのようなものか?そして顕正会における手口について考察します。
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