文章力を上げる唯一の方法。如何にパターンを取り込み、記憶と結び付けるか。

長期的な経済の停滞により、労働者の賃上げが捗々しくない状況が続いております。

ネットを徘徊していると、そんな時勢を社会背景として、ブログを媒体とした副業に着手する人が急激に増加した印象を受けます。

法人営為に属さない個人メディアでも、Googleさんとしてはキチンと評価に加えてくれているようで、

おかげで当ブログも、ようやく月間10万PVの大台に王手をかける規模にまで成長しました。

世間を見るとSNSも隆盛を極め、年々必要性を増す人々の文章スキルは底上げ傾向にあるのではないでしょうか。

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文章力を上げるためのハウツー本は無意味?

そんな煽りを受ける僕も、文章を構造的に学ぼうとして今までに沢山の本を手に取ってきました。

書かれていた内容は、レイヤーがどうとか、平易に書こうとか、起承転結はあえて守るな、etc‥。

ただ結論から言うと、それらのアドバイスが文章技術の上達に貢献したかというと甚だ疑問です。

恐らく、ほとんど時間の無駄だったんじゃないかなー。

文章スキルが一朝一夕で身に付く訳がない。

得てして人は、出来るだけ楽をして何かを習得したいと考えがちだし、

何もわからないうちは、「きっとそういった方法がどこかにある」という淡い期待を懐いてしまうものなんでしょう。

しかし、結論から述べればそんな簡便な方法はどこにもありません。

僕がプッシュしたい方法はただ一つ。

それは「小説を読みまくること」です。

では以下、その理由を順序立てて説明していきたいと思います。

今まで読んだ文章上達本の中であえてオススメを挙げるならば…。

文章を上手に書けるようになりたい…。

きっとどこかにその方法論を示した本が存在するはず…。

過去、そんな模索を性懲りもなく続けている最中で、唯一、僕を深い納得に至らしめてくれたのはせいぜい以下の著書くらいでしょうか。

一年以上前に読んだこの本ですが、結構振るったみたいで、既に読んだことのある人は少なくないかもしれません。

「文章スキルの向上に役立った」というと、魔法の様な書物だと勘違いする人が居そうなので、初めに断っておきますが、この本の中身は、執筆の際の具体的な方法論という意味での説明に踏み込んだ記述は少ないです。

ただ非常に参考になった提案が一つありまして、

それは、言い換えの文句を一通り習得しておく、というものです。

例えば、よくありがちな稚拙な感想文に「凄かった」という言い回しがありますね。

これ、例えば「凄味があった」と変換するだけで、ちょっとした体裁の文章に生まれ変わったりします。

ただし、「語彙」というのは無為な態度でいては決して手に入れることができません。

一足飛びに文章上達はあり得ない。

独創的な音楽家で、「旋律が天から降ってきて自然とメロディーが浮かんだ」みたいな表現をする方がいるかもしれません。

神憑り的な。しかし、そういった他人の高度な技能を目の当たりにして、「才能」の一言で短絡化して片付けてしまう人がいます。

何か生得的な要素に帰結させて、すぐに「諦めモード」に入ってしまう人。

上記の例のような音楽家は、キザでナルなだけかもしれません。

しかし大事なのは「日の当たる部分だけに焦点を当てていたら奥の本質はいつまで経っても見えてこない」という現実を直視することでしょう。

「才能」の影には本人の血の滲むような「努力」が必ず存在する。

書く能力に長じた人というのも、それは紛れもなく粒々辛苦の末の結実であって、水面下における不断の努力をまずは「認める」という態度が大事だと思います。

輝かしい側面の裏側にある、知識の膨大なる蓄積と、そこに費やした膨大な時間の方にこそ目を向けるべきです。

僕自身も、教養がなく、低劣な文章しか書けない粗野で未熟な自分を受け入れて、取るべき行動を取るようになってより、

少しずつですが自分の文章スキルが向上してきた実感を持てるようになってきました。

表現のパターンを大量に取り込むこと。

考えても見れば、文章化とは頭の中にある概念を適切な言語に変換するだけ、という至って素朴な作業です。

文章力をつけたい!と強く意識すればするほど欠如してしまう視点とは、恐らくこの作業が単純なものであるという事実への認識だと思います。

難しく考えすぎてしまうのです。

顧みれば、幼少の頃、日本語の口語表現を習得するために、文法や品詞の種類を履修した覚えはありません。

ただ大量の「パターン」を取り込んだだけです。

大人たちが用いる口語表現の膨大なパターンを目と耳を介して頭に放り込み、

然るべき適切な場面でそのまま模倣、という行為を繰り返すことで会得したに過ぎないわけです。

もっとも子供は「意味記憶」に秀でていますから(これについては後述します)、短期で効率的に覚えてしまうわけですが、

学習の要領は同じだと思います。

要するに、書き方のテクニックよりも先に、多彩な文章に触れることの方が重要なわけです。

個人的な感覚として、この推論、というか経験則はあながち間違いではないと思います。

ところが、多くの文章上達ハウツー本にはそういった側面に関してはあまり強調されません。

個人的に、これは「文章が上手な人」故に陥ってしまう、一種の罠であって、

つまり執筆者側の、読者との間に存在する技能の圧倒的な「落差」。その認識への欠如が招いた結果ではないかと思っています。

一語ずつ、テキパキと。

既に基礎能力を具えていて、且つ、スキルの煮詰まった人には有効かもしれませんが、そもそも前提としてボキャブラリーが乏しい人に対して高度な「文章テクニック」の要求は不適当です。

有名なジャーナリストの池上彰さんは「勉強は知識を詰め込むことではない」と仰っていました。

しかし、これは「知識があるからこそ」言えることだと思います。

漢字や言葉の意味がわからなければ、本が読めません。趣旨がまるで理解できません。

この場合は、1ページを何十分もかけて、単語の意味を一つ一つ調べてながら進まないと時間を浪費するだけで終わってしまいます。

特に僕のような、この歳になるまでまともに世間の本の一冊も読んだことのない人間にとっては正しくそうなのです。

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とにかく小説を読むこと。

少し話の軌道を戻します。

言葉のパターンをひたすら学ぶには専ら「小説」が好適です。

僕が先の本を紹介した理由は、そう確信するからに他なりません。

語彙力こそが教養である (角川新書)では、あの本は格調が高いよ、この著者は言葉のリズム感が秀逸だよ、といったように、

「こう書くと良い」ではなく、「これを読むと良い」というアドバイスを主としています。

この本「だけ」読めば文章力が上がるなどという本は存在しません。

あの本も、この本も、その本も、どの本も読まないと堅実な技能を身に付けることはできないのです。

小説のメリット。

先程、「意味記憶」というキーワードを使用しましたが、これは記憶のパターンの一形態でして、一方で「エピソード記憶」というものがあります。

意味記憶とは、例えば思い出して頂きたいのは歴史のテスト勉強のようなシチュエーションです。

覚えよう、と意識して知識に加える作業が「意味記憶」です。暗記作業です。

ところが、脳の性質として、この意味記憶は年齢を重ねる毎に衰えていくことがわかっています。

代わりに発達、成熟していくいくのが「エピソード記憶」というもの。

これは時や場所、状況などと紐づけて記憶領域へと格納する回路のことを指します。

小説が良い理由。

ここで、先程「なぜ小説なのか、実用書でも文章に変わりはないのだから良いじゃないか」

と、疑問を懐かれた方も少なくないはず。

それは記憶の効率の問題で、小説の特徴、メリットは「作品の世界観に没入できる」ということ。

移入すればするほど、まるで小説の中の主人公になったかのような「疑似体験」を得られるのが最大のポイントです。

だから主人公の巧みなレトリックも、面映ゆい決め台詞も、全て読者の生の体験として疑似的な効果を生み出してくれるため、実用的な質の良いインプットが可能になるわけです。

あの日あの時あの場所で僕(主人公)はこういう言い回し、なり語彙を使用した。

という様々な環境要素と結束した、強固なエピソード記憶として「自分のもの」に出来るわけです。

まとめ。

僕はフィクションなど元来、気にも留めなかったタチでしたが、

小説を手に取り、上記のことに気付いてより、今まで書けども書けども文章が上達しなかった理由に釈然としました。

「入れるものが無ければ、出すものも無い」ということ。

勿論僕自身、偉そうな口を叩けるほど優れた文章術を会得しているわけではないですが、あくまで個人的な考えとして紹介させて頂いた次第です。

ちなみに一旦、脳の海馬にとどまった知識郡は精査されて、三カ月もすると不要と判断された知識は淘汰されてしまうようなので、

僕はブラウザのタブの機能などを利用して、他愛のない単語や概念でもときどき読み返して復習するように心がけています。

一度接した知識を己の血肉とするためには、こうした方法を取るのが一番簡易で確実ではないかと思います。

以上、僕が思う、文章力を上げるために必要なたった一つの方法とは「なるべく多くの小説を読むこと」でした。

ちなみに意味記憶やエピソード記憶といった、脳科学的見地からの「脳や記憶の特質」に関する解説は以下の本に収められています。興味のある方は手に取ってみて下さい。

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